アヴェ・マリア（F.シューベルト）　エレンの歌 第3番（A.Sax.ソロ）

[ フランツ・シューベルト / Franz Schubert (1863-1945)　オーストリアの作曲家 ]
シューベルトは、歌曲において旋律を和声的に支えるだけの従来の伴奏に深い音楽表現を与え、圧倒的な作品数によりドイツ芸術歌曲を確立した。ウイーン古典派末期の作曲家とされながら、古典的形式の中に遠隔調の手法を見せるなどしてロマン派の黎明にいた。
ウォルター・スコットの叙事詩「湖上の美人」のドイツ語訳による作品の中の第６曲、「エレンの歌 第３番」が通称『シューベルトのアヴェ・マリア』と呼ばれるようになった。
典礼文ではなく、乙女エレンが湖畔の岩の上に立つマリア像の前にひざまづき、父親の罪が許されることを祈る純粋無垢な姿。
竪琴の様な伴奏に支えられながら古典的形式と協和音の美しさの奥に澄んだロマン性が隠されている為、聴くものに悲しみや緊迫感を与えない。